マッキンゼー式 世界最強の仕事術 : イーサン・M・ラジエル
『MECEは「ミーシー」と発音する。「互いに重ならず、すべてを網羅する。(Mutually Excelusive,Collectively Exhaustive)」の頭文字で、マッキンゼーにおいては問題解決に不可欠な条件である。(中略)MECEであれば、最大の明晰さ‐すなわち最小限の混乱‐と、最大限の完璧さをもって思考を構造化できる。』
大前研一氏やDeNAの南場智子氏など多数の優秀な経営者を排出した世界で最も有名なコンサルティングファームであるマッキンゼーが、コンサルティング案件を成功させるためのコツやノウハウ、考える上で役立つツールなどを紹介している書籍。
コンサルタントの能力の優劣が端的に現れるのは「課題の構造化」のスキルである。クライアントに対するヒアリングや社内資料や外部資料および定量データなどから、課題をもれなく抽出し、要素分解や統合を経て構造的に整理する。
その後に取り組むべき課題に対する優先度評価を行うのであるが、前段の構造化がうまくいかないと、その後の戦略策定が説得性や合理性に欠けたものとなってしまう。
一般的に課題の構造化を行う際には、既存のフレームワークを用いることが多い。
・マーケティングの5P
「製品(Product)」「価格(Price)」「立地(Place)」「宣伝(Promotion)」「パッケージ(Package)」
・環境分析の3C
「市場(Customer)」「競合(Competitor)」「自社(Company)」
・競争戦略の5フォーシーズ
「競合他社の脅威」「新規参入者の脅威」「代替品の脅威」「売り手の交渉力」「買い手の競争力」
これらのフレームワークは基本的に戦略立案レベルで用いられる。すなわち、ターゲット定義や施策の方向性など、概念レベルの場合である。
一方で戦術(施策)立案レベルでは、クライアントの個別事情に応じて新たなフレームワークを構築しなければならない場面に直面する。こういった場合の取り掛かりとしては、「6次元発想」や「MECEマトリクス」、「ベン図」といったツールがあるが、興味のある人は個別に勉強してみるとよいだろう。
システムトレードにおいてもフレームワークによる作業工程の構造化は有用である。「Let'sシステムトレード」でもその考え方を踏襲し、時間軸で「トレードスタイル確定」「基礎分析」「システム構築」「運用」という構成概念に分け、さらにそれを「基本」と「応用」で層別した。
これにより、個別の構成概念に集中して必要な項目を深く考えることができ、また作業がうまくいかない場合のチェックリストとしても活用できる。
人間の脳は構造化された情報を好むため、構造化された話術を展開すると他人に好まれるだろう。したがって、構造化された情報提供は異性のくどき文句としても活用できると考えられる。例えば以下のように。
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私があなたを好む理由は大きく分けて3つある。
1つめは容姿、2つめは知性、3つめは忠実さである。
これらの構成概念は、桃太郎のお供(各々きじ、さる、いぬ)が表している、当時の理想的な女性の備えるべき素養なのだ。
そして、あなたはそのすべてを備えていることが、これまでの調査で明らかになった。
では、まず1つめの容姿の個別評価項目を列挙して考えていこう。
A.メイク
B.ファッション
C.スタイル
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ただし、結果の保証はいたしかねるので、トレードと同じく自己責任において活用いだきたい。