01.層別化によるサンプル特性の劇的変化
ここに、ある病気に対して効果があると思われる薬があります。80人の患者に投与したところ、下記のような結果が得られました。(サンプル数に不安がある場合には1桁増やしてください。)

すなわち、治療薬を投与した患者の回復率は20÷40=50%、投与しなかった患者の回復率は16÷40=40%です。したがって、この薬は罹患者に対しては投与した方がよいように思われます。
ここで、“男女によって薬の効果が異なるのではないか?”という疑問を呈するお医者さんがいたとします。そこで、男女でこのデータを層別化してみましょう。すると、下記のような結果が得られました。

男性では治療薬を投与した患者の回復率は18÷30=60%、投与しなかった患者の回復率は7÷10=70%。同様に女性では治療薬を投与した患者の回復率は2÷10=20%、投与しなかった患者の回復率は9÷30=30%となりました。
ん?男女とも、この薬を投与しない方が回復率が高くなりましたね。摩訶不思議な現象です・・。
参考:ベイズ統計学入門、渡部洋著