浅草の袋小路
 

一時期「齋藤孝」を好んで読んでいた時期があり、彼の書籍はスクールの第一講の教材でも使っている。

どの書籍だったか忘れたが、表題の「質量転化の法則」という記述は、当時なるほどなと感心していたのを思い出す。

圧倒的な量をこなすことで必然的に質が向上するという法則だ。

さらに推し進めると、量をこなすことで当該領域の概念が大量に獲得でき、それらが加速度的かつ有機的に接続されることで脳内麻薬分泌回路が形成される。

いわゆる「ゾーン」に入るのだ。

大なり小なり功をなした人物は例外なくこの法則に従う。

・ピカソは生涯に10万点以上の作品を残している
・写真家・土門拳の作品は生涯で7万点
・宮沢賢治は、1ヶ月3,000枚の童話や、詩を書いた
・漫画家・手塚治虫が書いた原稿は15万枚
・作曲家・古賀政男が作った曲は4,000曲
・俳人・小林一茶は一生で約2万の句を詠んだ

HPを見ていただくとわかるが、私はこれまで質にこだわりアウトプットを少数(毎週1コンテンツ程度)に抑えることにしていた。

だがコンテンツ作成にまるまる1週間を費やしていたかというとそうでもなく、結局週末に追い込みで作業していたことも少なくない。

つまりアウトプットの質はさほど変わらないのに、脳は長時間遊んでいたというわけだ。

トレードも例外ではなく、知識を技術に昇華させようとするならば数をこなすことが必要である。

だからといってデイトレだ、スキャルピングだ、銘柄分散だという短絡的な話ではない。

そうではなく、トレードに関わる概念の獲得を日々の日課とする方が長い目で見て有用だ。

なぜならばその方が主成分分析のごとく、多様な概念の共通性をくくり出しトレードの本質に迫れるからだ。

また、これまでアウトプットすることを少々出し惜しみしていた感があったのも事実。

特にトレードの世界は直接お金が絡むため、どうしてもその傾向が強くなる。

だが最近出会ったある教材がそのような私の思考の在り方を一変えさせてくれた。

それは「アウトプットするのが追い付かないくらい圧倒的に概念を仕入れればよい」という考え方だ。

過去に積み上げた概念を後生大事にしまっておくと、その概念は淀んでしまい、いつの間にか過去の人になる。

会うたびに新しい発見をもたらしてくれるトレーダーとは、確かに今まで積み上げた概念を惜しげもなく捨て、常に新しい概念を取り入れられる人物だった。

ネタに困るというセコい考えは、相場の世界における概念をすべて獲得し尽したその時に悩めばいい。

さぁ、一気に概念獲得を加速させよう!まだ見ぬ相場の本質に向かって!