ポジション積み増しのオペレーションを排除:ニコラス・ダーバスを早くも裏切る

リターンリバーサル効果

来週からブレイク後にポジションを段階的に積み増すオペレーションをなくす。

今はとにかく削れるものは徹底的に削る方針なので、考えたあげくこのポジションマネジメントに白羽の矢を立てた。


理由はいくつかある。


最も決定的な理由は、期待値と分散の関係からの非合理性にある。

ブレイクでポジションを積み増すのなら、ブレイクによってその銘柄の期待値が引き上がることが前提となるだろう。

もし期待値が引き上がらないのであれば、ポートフォリオの損益分散を大きくするだけなので、リスクとリターンの比が悪化する。


ブレイクで期待値が引き上がるという検証結果は手元にはない。

むしろ、理論的には株価が上昇することでバリュエーション上の魅力が薄れ、リターンリバーサル効果によって売り圧力がかかる、と考える方が合理的だろう。


いづれにせよ、自分の体感的にもスカッとしないので、ニコラス・ダーバスには申し訳ないが、最初のブレイクでの仕掛け以降はポジションを積み増さないようにする。


別の理由としては、条件に合致する銘柄が増えてきたたため。

今のリストには46銘柄が候補として登録されており、日々その量は増えていっている。

第二四半期決算のピークを過ぎた今の相場付きの影響が大きいのかもしれない。


ただ、既存銘柄を積み増すより、新規銘柄を新たに仕掛けた方がシャープレシオは向上するため、こちらも合理性での判断。


あとは心理的負荷の軽減。

3銘柄で利益が出て、1銘柄で損失が出て、トータルで損だとちょっと凹む。


本当に気持ちだけの問題なのだが、長期運用においてはこのボディーブローのような心理的負荷も馬鹿にはできないもの。

こういった負荷が積もり積もって爆発し、おかしなギャンブルに走る衝動をかき立てられないとも限らないので。


という感じで、これでもかというくらいシンプルにシンプルにトレードスタイルを洗練させていっている。

幸い今月の損益は安定しているので、このまま月末までいってほしいところ。


鬼が仏に変わったかのような身替わりの早さだが、このカメレオンのような臨機応変さもまたトレーダーには必要な素養ということで・・・、と誰ともなしに自分に言い聞かせつつ・・・。