昨日話題にあげた、ニコラス・ダーバスの「私は株で200万ドル儲けた」を再読。
監修者の長尾氏が前書きで書いてあるように、相場とトレーダー心理の本質を的確に捉えてある良書だ。
良書というのは読む度に気付きを与えてくれる。
今の自分が一番響いたのは、情報と自分との距離感や、抵触情報量のコントロールだった。
・ブローカーに対して株価や約定報告以外の電話をかけてこないように指示
・バロンズ誌や新聞からは価格一覧のページだけを破り取り、評論家の見通しなどそれ以外のページはゴミ箱に捨てる
・ニューヨーク証券取引所からは物理的に距離を置く
ダーバスは、とにかく一次情報以外には出来るだけ抵触しない環境を強制的に創り上げていた。
今、自分がこの書籍を手にしたと言うことは、トレードの神様の啓示なのだろうと受け取った。
早速余計な情報へ抵触する機会を減らすべく動く。
まず、スマホの整理から。
・証券会社のアプリを削除
・世界の株価や証券会社のブックマークや履歴を削除
ほとんどのトレーダーはそうだと思うが、自分のポジションの損益をスマホで頻繁にチェックしているだろう。
自分もそうで、場中やることはないのに、ついいくら儲かっているか、いくら損しているかを1時間おきくらいの頻度でチェックしてしまう。
場中のオペレーションは必要ないトレードスタイルなので、強制的に見ない環境を作る。
・ツイッターアプリをとりあえずフォルダの奥の方に移動
これは悩ましい決断だったが、いったん見ない環境にしてみようと思う。
ツイッターからは非常に上質な情報を流してくれるトレーダーがおり、勉強になると共に、忘れていたり気づいていないイベントを教えてくれる。
MSCIやFTSE、ドラキやイエレンなどの要人発言、雇用統計などの重要指標の発表など。
もちろん、こういった情報をきちんと処理してトレードに活かすべきという意見には100%賛成である。
ただ、若干脳がカオスな今の状態では、上質な情報すらもノイズになってしまう。
一度脳内を整理できた段階で、再度それらの情報に触れた方がいいと判断した。
・feedlyでチェックするブログの絞り込み
意図はツイッターと同様。
他人の日々の損益報告や相場見通しなどが書かれてあるブログはリストから削除。
どちらかというと、件のブログのように“稲を育て雑草を刈り取る”的なやつだけ読み込む。
・チャートの表示要素の絞り込み
今でもシンプルなのだが、残された25日移動平均線と移動平均乖離率を削除した。
過剰反応でいったん手仕舞うために見ていたテクニカルながら、今は高値を取ってきた銘柄に積み増すポジションマネジメントなので、逆に弊害の方が大きいだろう。
・売買対象以外の銘柄リストの削除
テーマやイベントごとに銘柄リストを作っていたのだが、これもきれいさっぱり削除。
あるべき論としてチェックすべきなのは承知の上で、前述のように、まずは脳を混沌から秩序に戻すことを優先するための決断。
とりあえずはこんなところか。
あとは、銘柄選定時の遊びも極力少なくして、90%はルーチンにしてしまおう。
深く考えるべきポイントは、“業績シナリオの合理性”と“チャートの美しさ判定”に絞り込む。
現時点では、機械よりも人間の能力が優れている要素を深掘りしていく。
全数検索やファクターモデルでわかることに時間を割く意味は今後どんどん薄れていくだろうから。
さて、今年は半世紀以上前のニコラス・ダーバスからのメッセージをしっかり噛みしめることとしよう!