トレードスクール最終講:チームAKB集合知検証結果報告会

前回と同じく、東京都中央区八丁堀にてトレードスクール第七期最終講を開催した。

約1ヶ月にわたる検証作業の結果を各チームがお互いに披露し合う。


先陣を切るのはチームAの「決算レスポンストレード」。

決算発表へ向けての先回りで蓄積した仮需の出尽くしを売りで取る。

マーケットメカニズムに反しないしっかりとした仮説に基づく大量のファクターを検証していた。


単純な最適化ではないため、ひとつひとつのファクターの合理性やその裏にある思想を検討することができる。


最終的には、自分が一応はチェックしつつも軽視していたファクター効果の存在が確かめられた。

決算プレイ

明日からはきちんとチェックして、パフォーマンス改善に活かしていこう!


続いてはチームKの「ダイヤモンドZAi理論株価」。

ダイヤモンドZAi独自に算出している理論株価の割高を売り、割安を買うと本当に儲かるのかという素朴な疑問を検証。

結果的には何やらエッジが存在しそうな雰囲気が醸し出されていた。

ダイヤモンドZAi理論株価検証

ただし、別チームの生徒から、ZAiの理論株価は計算式があやしいとの指摘があった。

したがって、ZAi効果ではなく、通常のバリュエーションに基づく単純な割安、割高効果なのではないかと。


とはいえ、相場が低迷している時期に機能していることから、今後イベントを含む通常のエッジが効かなくなったときに使えるため、もう少し深掘りする価値があるとも。


個人的には、こういう単純な割安指標も案外効果があるのかと再認識できたため、こちらも明日からしっかりチェックしていきたいファクターアイデアを頂けた。


最後はチームBの「日経観測記事を使った逆張りトレード法」。

日経平均の観測記事の有無やその内容が、その後のリターンや実際の決算日にいかなる効果を与えるかを検証する。


結果的にはとんでもない効果をもたらすファクターは見つからなかった。

ただし、ひとつだけ面白い視点のファクターが存在し、他のファクターとの組み合わせと抽象化思考を用いれば、観測記事で材料出尽くしを認識できる可能性がありそうだった。

日経観測記事検証

相場状況やテーマ性、イナゴの有無などを体に染みこませて総合判断する、職人的な技術の援用として考えるといいだろう。


“世の中で思われているほど日経観測記事の影響は大きくない”と、検証によって腑に落とせたことは大きな収穫だった。

これからの数十年のトレード人生において、この結果を知らずに効果の薄いエッジに無駄な調査時間を取られないというのは、相当にありがたいことなのだから。


頭をオーバーヒートさせた後は、東京駅にて海鮮料理に皆で舌鼓を打つ。

手書きチャートの会から半年、皆一様に“時が過ぎるのが早かった”と口を揃える。

それだけ濃密な時間を過ごして貰えたことは、主催者冥利に尽きるというもの。


儲かる銘柄を教えて受け手を思考停止に陥れ、セミナーをただDVDに焼いて高額で売りつけるという、受け手の満足を最大限考え抜いたとはとても思えないような商品が跋扈する業界。


関わる者同士の関係性の中にこそ価値を生み出す源泉があるのだから、それを最大限引き出せる環境が存在すべきだ。

それが世の中にないのならは、SNSでぶつくさ文句を言うのではなく、自分で創り上げようと試行錯誤してたどり着いたのが、今回の第七期。


ここでの学びは株で儲けるというセコい思考に留まらない。

これからの生き方や、あるべき価値観の創造にきっと役に立つはず。

いつか彼らに再会したとき、“儲かるようになった”という以上の言葉が聞けることを楽しみに、第七期の幕を下ろそう。


PS.
本日は11月分の教材出品日です。
19:00にメルマガにて案内しますので、ご所望の方は例のごとく構えておいて貰えれば。