昨日週末の日経CMEは19000円台を突破し、19115円で引けた。
中国の利下げやアメリカ企業の好決算を好感したのだろうか。
それはともかく、来週のシナリオのパターンごとの対処方法を考えたい。
米国金利引き上げあり/なし × 日銀金融緩和あり/なし
なので、合計4パターンとなる。
市場のコンセンサスとしては下記のような感じだろうか。
1.米国金利引き上げなし&日銀金融緩和なし:80%
2.米国金利引き上げなし&日銀金融緩和あり:10%
3.米国金利引き上げあり&日銀金融緩和なし: 5%
4.米国金利引き上げあり&日銀金融緩和あり: 5%
圧倒的本命である1の場合。
注目すべきは、このシナリオでこれまで市場のポジションが調整されていることだ。
すなわち、このシナリオ通りであれば事前織り込み済みで出尽くしとなる。
2の場合は押し目なくサプライズ上昇のイメージ。
3、4の場合は、グローバルなリスクオフへのレジームスイッチなので基本は下げて、戻しも弱いだろう。
ただし、4の場合はFOMC発表後の急落から日本市場を救うという錦の御旗が立つため、目先は短期の強い戻しが期待できるか。
もちろんどのシナリオになるかはわからないし、その予測にエネルギーを注ぐ意味は薄い。
重要なことは、起こる可能性と各シナリオごとの相場変動に対して最も堅牢なポジションを事前に組んでおき、かつ事後の対処方法をイメージしておくことだ。
加えて、自分のオリジナルのエッジであるカンピュータ指標(上昇トレンド継続も若干の過熱感があり、デッドクロスが近い)と照らし合わせて考える。
1のシナリオが本命なので、まずはそれに対応するポジション組成が基本路線。
この場合は、事前織り込みの出尽くしにより、日銀の現状維持発表で一瞬下げた後、即戻るのではないだろうかと想定する。
織り込み済みと考えるのは、昨日の大幅上昇にもかかわらず、アイフルとケネディクスの動きがあまりにも冴えないからだ。
ベータとの相殺で考えれば、アルファが明らかに下を向いている。
すなわち、金融緩和期待の買い以上に現状維持に向けたシナリオにベットしている主体の力が強いことを意味する。
この前提に立ったとき、自分の現状のポジションである厚いロングに10%のヘッジでも、瞬間の下げを我慢できれば問題はない。
とはいえ、万が一米国金利が引き上げられた場合に備えるなら、月曜日段階でロングポジションを落とし、ヘッジ比率を引き上げておくべきだろう。
そうすれば、本命シナリオのときでも、一瞬の下げでヘッジを外し、返す刀で現物買いポジションを再度組成するエレガントなトレードができる。
ただし、4のシナリオの場合は股割きに遭う可能性があるので、フルヘッジではなくデルタは少しロング目に構えておき、損失を最小限にとどめたいところ。
ということで、朝令暮改ではあるが、月曜は手持ちの銘柄の利確を積極的に進めていき、ヘッジをしっかり入れて月末イベントに臨みたい。
個別の懸念点としては、手持ちのほとんどの銘柄が決算先回りにベットしているので、タイミング的に上方修正発表があった場合、アルファの取りこぼしが起こること。
だが、すべての可能性に対して完璧に対応出来るポジション組成は不可能なので、全体最適を考えるとそこは致し方ないところ。
シナリオが当たる当たらないに一喜一憂しても意味はない。
すべてのシナリオを想定して、事前に最適な準備をして構えることが重要なことなのだ。
読者も週末の時間を使って、自らのポートフォリオの最適化を図ってはどうだろう。
決算レジームも重なり、あまり経験することのないイベントなので、ここでしっかり学びを得ておけば、たとえ損失を出したとしても、それが後の財産となるはずだからな。