アカギの手下からの学び:自分に売り向かうトレーダー視点をチートイツ縛りで体感

部屋の掃除をしていたときに、ほこりを被って出てきたKindleを再活用中。

紙のマンガはすべてブックオフで処分したので、今後は可能な限りKindleで買おうと考えている。


手始めに、最初の1冊が99円だった福本伸行の「天」を購入。

学生時代に読んだ記憶があったが、内容はすっかり忘れていた。

2巻から早速「天vsアカギ」の白熱した戦いが始まり、思わず釘付けになって読んでしまう。

麻雀と株

両者の対決の前の、噛ませ犬のような裏プロのオヤジとひろゆきとの戦いが意外と興味深かった。

そのオヤジはチートイツのみでひろゆきを追い込んでいく。

相手のちょっとした視線の送り方や所作を観察し、心理的に優位に立つスタイルはアカギのそれと似ている。


ということで、今日の平日は、久しぶりにゲーセンに麻雀を打ちに行った。

そのオヤジに倣って、よほど強力で早い手でもない限りチートイツ縛りで。


すると、意外な発見があった。

チートイツのみに絞ると、手牌の牌効率をほとんど考えなくていい。

むしろ、相手3人の捨て牌の方に意識がいく。


単純に自分が1枚持っている牌が何枚出ているかを観察するだけではない。

局の早い段階で捨てられた中張牌のソバは相手が持っていない可能性が高いので、それらの牌を残していく。


これによって、聴牌までの効率が上がると同時に、相手の待ちの可能性が低い牌が手元に残るため、降りたり回したりの打ち回しもやりやすくなる。


逆に、これまでは自分の牌効率を高めるための情報としてしか相手の捨て牌を観察していなかったといえる。

敵の思考の流れにまで意識を向けずに、“自分がいかに上がるか”という自分よがりな打牌に終始していたのだ。


トレードで自分が買いポジションを持てるということは、その買いに向かってくる売り手がいるということ。

果たして自分は、自分と相反する行動を取ってきたトレーダーの意思決定プロセスにまで思いを馳せてきただろうか。

“自分がいかに儲けるか”だけしか考えていなかったのではないか。


噛ませ犬のオヤジにさえ重厚な学びを得る。

あの頃の福本マンガは本当に神がかっていたなと、改めて感服した一日だった。