トニー・ブザンのTEFCASメソッド(1):期待と現実のギャップがもたらす心の摩耗

2015年のイメージを作るために再読している「全脳思考」より。

日々のトレードシステムの運用がもたらすストレスの根本原因を探ると共に、その対策を考えてみよう。


現実の成果は投下労働に対して曲線的にもたらされる。

しかし、我々が期待する成果は直線を描くため、そのギャップが不要な心理的効用を生み出し、ストレスとなる。

システムトレードがもたらす心理的ギャップ

さらに我々人間には直近偏向の特性があり、遠い過去に起こったことよりも今現在起こっている事実から過度に影響を受ける。

その影響により、過度に楽観的、過度に悲観的な見通しを立ててしまう。

株式売買の損益に対する過度な期待

その見通しが過度であればあるほど、その見通しからの当然の引き戻しにより、心が疲弊し摩耗してしまう。


日々の損益のエクイティーカーブを思い浮かべるとわかりやい。

事前の徹底した検証で、日々の勝率は60%、1日平均リターンが0.2%だと理解しているはずなのに、直近の勝率が80%、実現リターンが1%の状況が続くと、それが未来永劫続くかのような気がしてしまう。

逆に、検証の範囲内でありながら、実際に経験したことのない連敗やドローダウン時には、手持ちの資金が完全に枯渇するかのような未来を想像するだろう。


この、人間が必然的に陥ってしまう思考プロセスに対して、英国の教育学者トニー・ブザンは「TEFCASメソッド」を提唱した。