株の予想配当利回りはテクニカルなサポートラインになりうるのか

長期投資家の主たる収入源である株式配当。

短期の投機をやっている自分のようなトレーダーの配当との向き合い方は彼らとは質的に異なる。


たとえば、株主優待イベントのように、配当狙いのトレーダーや投資家の買いを先回りしてキャピタルゲインを得るという活用方法もある。

特に株主優待実施銘柄は、各種投資関連雑誌に、株主優待を含めた配当利回りなどが掲載されるため、実体の配当利回りも銘柄選択の判断基準となるだろう。


あとは、他のイベントに対するファクターとしての活用。

配当利回りが特に高い説明力を持つイベントも存在するため、特定のイベントとの掛け合わせは有用だ。


で、Evernoteの分析アイデアノートを覗いてみると、“配当利回りがサポートとなる”というメモがあった。

どこでどのようにしてメモしたのかは忘れてしまったが、チャートリーディングの技術を高めている今であれば、この考え方はとても興味深い。


事例として「9795 ステップ」を見てみよう。


予想配当利回りは2014年9月、3月共に12円で年間24円。

ここからの考えは仮説と昔分析した経験によるものだが、わかりやすさの点も加味すると、予想配当利回り3%が意識されているように思われる。


上記データから株価を逆算すると、24円÷3%=800円となる。

3%以上の配当なら買うという投資家がいれば、800円以下で積極的な買いが入るため、その価格はサポートラインとなるだろう。

年配の投資家でも、今は簡単に操作可能なスクリーニングツールが提供されているため、昔よりも効きやすいか。


実際のチャートが下記。

配当利回りテクニカルサポートライン

9月末の権利日前2、3ヶ月は800円が意識されているようにも見えるが、どうか。

結果的には800円で突っ込み買いを入れて権利日前に売れば成功した形。


発展としては、絶対的な基準を探すか、類似銘柄との相対的な関係性で考えるかになるだろう。

配当利回りは景気に左右されるため、原則としては類似銘柄との比較で考えるべきかもしれないが、長期投資家相手なら、絶対基準を頑なに守る主体もいるだろうか。


チャートに入れ込むと煩雑になって逆に意思決定を惑わす要因になりうるため、今は軽くチェックくらいで。