HighFAI売買譜検討会構想(1):よいトレードを最重要評価指標とする

梅原大吾とも対戦経験のあるトレードスクール第六期生からお勧めされた、ときど氏の書籍「東大卒プロゲーマー」読了。

システムトレーダー、東大卒プロゲーマーに学ぶ

ときどは今、勝利よりも“よいプレイ”がしたいと考えている。

そのためにライバルとも惜しみなく戦術に関わる情報を共有しているという。


勝利へ向けて一直線の合理的な手法を突き詰めるスタイルから、一見不利で無駄だと思える戦術にも時間をかけて分け入っていくスタイルへ変化していった。

それがあらゆる状況に対応できる戦術の広さと深さを生み出し、結果的に強さへとつながることを悟る。


そして、その天衣無縫のプレイは観客を魅了し熱狂させる。

結果、格闘ゲームの裾野が広がり、市場も拡大、とぎと氏も様々な豊かさを手に入れた。


よいプレイのための広さや深さを追求するならば、志高き仲間は必須である。

どんな天才でも一個人が認識している世界はひとつであり、したがって盲点が無数に存在する。


盲点であるが故に、当然その本人には見えていない。

見えていないから改善のしようもない。


これが他人から見たら一目瞭然であったりする。

また他人の盲点を自分が見えていれば、容易に指摘してあげられるだろう。


プロの囲碁の世界には研究会が多数存在する。

先輩プロ棋士などが主催し、日本棋院や自宅に2~4人くらいで集まり、盤面を囲んで戦術を検討するという。


ライバルを強くすれば自分の立ち位置が不利になるため、勝利だけが最重要評価指標であれば、このような研究会は考えられない。

しかし、彼らもまた“よい囲碁”を打ちたいという目的を共有する仲間なのだ。


マンガ「ヒカルの碁」に出てくる藤原佐為は、神の一手を究めんがために、主人公進藤ヒカルに憑依した。

平安時代の貴族が、その身を失ってもなお、勝利ではなく最高の囲碁を打ちたいという思いによって現代によみがえる物語。


勝負の世界、いや人間のあらゆる活動を本気で突き詰めるとき、必然的な心理の流れなのだろう。


ならば当然トレードでも、と考える。

が、残念ながら我がトレードの世界は、他の世界と比較して極度に秘匿性が高い。

格闘ゲームや囲碁のように戦いのプロセスを表現する必然性がないため、己の利だけが先鋭化した、とても寒々しい業界なである。


いや、でも、である。

トレードスクール第六期で掲げた集合知の思想を、荒削りながらも達成できた事実。

ときど氏と同じく、志高き仲間さえ集まれば、“よいトレード”を目指し切磋琢磨できる場を生み出せる可能性を確かにそこに見た。


今ならその針の穴を通しに行けるはず。


で、例のごとく新企画妄想タイム突入。