カモトレーダーを狩るための思考法:抽象思考のススメ

勝率9割の選択 プロギャンブラーのぶき氏の著書
スクールOB生がツイートしてくれた、名もなき某デイトレーダーの電子書籍を購入。

文章からも本物のトレーダーであることが感じ取れる、秀逸な内容だった。


3本合わせて1,500円以下。

インフォトップで売るなら39,800円は取れるだろう。

それだけに、彼が戦う領域を間違えていることや、コンテンツとして魅せる技術を持っていないことがあまりにも惜しい。

例の平成生まれの天才DRM青年を紹介申し上げたいところ。


さて、様々な気づきを与えてもらった中で、盲点を埋めてもらったメッセージがある。

「カモを含めて多くのトレーダーが参加している時間帯でトレードすべき」


言われれば当たり前のことだが、気づく意識のないトレーダーは一生気づけないし、自分のトレードに活かすこともないだろう。


カモのいる時間帯とは、具体的には寄り付きから1時間、あるいは長くても前場引けまで。

実際に場に張り付いている、脊髄反射で売買するカモが多いということもあるが、サラリーマンや電話発注の高齢者などの指値、逆指値がたんまり板に乗っている時間帯ともいえる。


たとえば大口トレーダーが株価を上げたいとき、自分の買いだけで持ち上げるわけではない。

彼らは、売りを誘って小口の売り玉を貯め、さらに売り玉のストップオーダーに火をつけて、その余勢を駆って持ち上げる。


そういう意味では、カモを狩ると同時に大口トレーダーの挙動が読みやすい時間帯ともいえるだろう。

彼のメッセージを解釈し、それをどのような戦術に活かすかは読者自身が考えるべきことだ。


ただし、書かれてあるヒントをそのまま鵜呑みにするだけではまだ二流以下。


一流へと抜け出したいなら、ここからさらに抽象思考を発揮する。

カモが多い時間帯(具体)→カモが多い状況(抽象)

カモが多い状況へと抽象度を引き上げ、そこから再度具体的な事象を考える。

カモが多い状況(抽象)
 →カモが多いユニバース(具体)
  →単価が安い(より具体)
  →2ch掲示板で盛り上がっている(より具体)
  →PBR1倍以下(より具体)
  →株主優待実施(より具体)
 →カモが多いチャートの形状(具体)
  →ブレイク寸前(より具体)
  →ストップ高、ストップ安(より具体)
 →カモが多い市場環境(具体)
  →信用評価損益率が-5.0%以上(より具体)
  →NISA導入時、枠拡大時(より具体)


抽象度を引き上げれば、そこから具体的な無限のヒントを獲得できる。

あとは拡張した概念を検証作業や観察、経験により収束させていく。


具体的でわかりやすい事象が“よい”とされるのは、大多数のカモにとって“よい”のだ。

なぜなら、彼らは自分の頭脳で情報を租借することを面倒だと忌避するから。

視聴率を評価指標とする地上波テレビがわかりやすく理解できるのは、脊髄反射で反応するカモがターゲットだから。


我々はその逆を行かなければならない。

そのための思考、頭脳による情報租借の基本であり本質、それが抽象思考なのである。

興味が沸いたなら、早速最寄りのブックオフに苫米地本を買いあさりに行ってみるべし。