戦う領域を見極める(2):末端支流の労働者を極限まで競わせる仕事



何度か書いているように、市場から超過リターンを得るには「源流(オリジナル)」になるか「整流所(ハブ)」になるしかない。


イケダハヤト氏の記事にあるA8ネットやバリューコマースを使ってのアフィリエイトは、そのどちらでもなく末端の支流である。

おすすめする商品にアフィリエイターの固有性を付加していないため、オリジナリティは皆無だ。


したがって、トラフィックをただ流し込むだけになり、ASP(アフィリエイトサービスプロバイダー)や広告主の言い値でその媒体価値を買い叩かれる。


自分もかつてのサラリーマン時代、ASPに広告を出稿していた。

法人広告の10分の1の値段でも、個人ブログからの申し込みが毎日殺到してくるため、その承認処理を朝の作業ルーチン項目に組み込んでいたほどだ。


一部のパワーブロガーには特別単価をつけるのだが、それも二束三文で満足してくれるため、コスト負担はたいして大きくない。

彼らは「特別単価」という単語自体に、ソーシャルゲームの「激レアカード」のごとき優越感を感じるのだろう。


一度実験的に報酬を1.5倍、2倍、3倍にしてみたのだが、成約数はさほど増えなかったことから、以後、逆に極限の最低単価はどこかを探っていくこととなる。

お小遣いほしさの膨大なアフィリエイターに向けて単価切り下げ競争を強要し、どこまでついてくるかを観察、費用対効果が最大化するギリギリのラインを攻めたてる。


中には生活をそのアフィリエイト報酬に依存していた者も含まれていただろう。

お酒やタバコ代ならよいが、赤ちゃんのミルク代、子供の教育費に充当していたら・・・、などと想像することもあった。

もし目の前で彼らの悲痛な表情を見たならば、市場原理に基づいた合理的な仕事とはいえ、相当に良心が痛んだと思う。


このような経験もあり、それ以降、いかにして末端支流の労働から抜け出すかを真剣に考え始めるのだった。